咬み合わせを診る



歯の詰め物や被せ物、入れ歯などを作る際に、作る部分の型取りをするだけでなくその歯とかみ合う歯の型取りもします。

上の歯を作る時には下の型取りも、下なら上も、という具合です。

作る所の型だけだと、歯と適合はしても上手くかみ合わないものになってしまうからです。

歯と歯のかみ合わせのことを私たちは「咬合」と呼びます。

上下の歯が適切に機能することによって食べものを粉砕するので、咬合はとても重要です。

歯は一本一本が独立して機能する訳ではなく、連続した歯の列として機能し、それぞれが違った特徴を持っています。

例えば、奥歯は真っ直ぐ咬む縦の力には強いですが、横の力には弱いです。

一方前から3番目の犬歯は歯の根が長く、歯ぎしりのようなギシギシと横に働く力から奥歯を守る働きがあります。

かみ合わせの運動を行う際にそれぞれの歯が適した力を負担できるよう、人工歯を並べる必要があるのです。



また、歯を支える歯根膜歯槽骨、顎の運動の基準となる顎関節筋肉など様々な組織が咬合を形作っています。

さらに前歯では方向や長さ、角度などが審美的に大きな影響を持っています。

特に多くの歯を人工的に補う必要がある症例では、審美的、機能的に調和の取れた歯を作るために咬合について詳しく診査を行うことが重要です。



写真は「ディトラマックス」という、当院で使用している咬合診査用の装置です。

作製する人工歯が顔貌の正中や咬合の基準となる平面と調和をするために用いられます。

大きな装置ですが、診査はそれほど大変ではありません。

模型だけでは得られない頭との位置関係が分かるので、大変有用な装置です。



さらには、「プロビジョナルレストレーション」と呼ばれる咬合や審美性を診査する仮歯を用いて作製する人工歯が実際に口の中で問題なく機能するかを確認します。問題があれば修正を行いながらその都度評価を行い、最終的に問題ないと判断した時点でそれらを最終的な人工歯に置き換えていきます。



入れ歯などの着脱可能なものであれば作り直しは簡単ですが、差し歯やブリッジなどは一度着けてしまうと作り直しは容易ではありません

きちんと咬合を診査することで、審美的、機能的に生体とより親和する人工歯を作ることが可能になります。

治療期間は長くなるかもしれませんが、長く使う歯を良い状態で作製することに価値を感じていただき、お付き合いいただければと思います。



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