
1月1日に歯医者の4団体が合同で歯みがき粉の利用方法について声明を出しました[1]。
14歳以下の子どもにおける推奨量と推奨濃度の変更があります。
★歯が生えてから2歳
歯みがき粉の量・・・米粒程度(1〜2mm程度)
フッ化物濃度・・・900〜1000ppmF
★3〜5歳
歯みがき粉の量・・・グリーンピース程度(5mm程度)
フッ化物濃度・・・900〜1000ppmF
★6歳〜成人・高齢者
歯みがき粉の量・・・歯ブラシ全体(1.5cm〜2cm程度)
フッ化物濃度・・・1400〜1500ppmF
今までの推奨と比べると、量や濃度が多くなっています。
よりたくさん歯みがき粉のフッ化物(フッ素)を使おうということですね。
新しい基準は、海外では比較的スタンダードなものです。
日本はもともと量や濃度の推奨が少なかったので、やっと海外に追いついた形です。
むし歯の予防においてフッ化物はとても効果があります[2]。
適切な量を使うことで、むし歯を大幅に減らすことができます。
特に12歳までのお子さんは、今までと利用方法が変わりますのでチェックしましょう。
ただ一つ、気をつけていただきたいのは、「多ければ多いほど良い訳ではない」ということです。
特に小さなお子さんがフッ化物を日々たくさん摂取すると、「歯のフッ素症」という歯の異常が発生することがあります。
歯の表面のエナメル質という部分が上手く作れず、白っぽい模様が出てしまうものです。
たくさん使いすぎるのは良くないということですね。
もちろん、推奨された量を守って使う分には心配いりません。
予防歯科で一番大事なのは日々の生活です。
甘いものを制限するのは大変ですが、歯みがき粉の種類や量を変えるのはそれほど難しくありません。
みなさんも、歯みがき粉の使い方をアップデートしませんか?
[1] 4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230106.pdf
[2] Marinho VC, Higgins JP, Sheiham A, Logan S. Fluoride toothpastes for preventing dental caries in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2003;2003(1):CD002278.
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