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執筆者の写真宮城和彦

虫歯はいつからあったの?

更新日:2020年1月7日


今も昔も虫歯や歯周病はお口の悩みの種です。

それは地位や家柄に関係なく、

昔の有名人も実は虫歯に悩まされた人がたくさんいました。

エリザベスイラスト

イギリスのエリザベス1世は虫歯で歯が真っ黒だったそうです。

徳川15代将軍の徳川家茂は21歳の若さで亡くなりましたが、

その死因に虫歯も関係していたのではないかと言われています。

アメリカ初代大統領のジョージワシントンは若くから歯周病で、

28歳の時にはすでに部分入れ歯を使っていたとか。

古代エジプトのミイラを調べてみても虫歯や歯周病はあり、

旧石器時代のネアンデルタール人にも一部認められるようです。

ですが、進化の過程でそれ以前の猿に近い種族になると、

そういった歯のトラブルは見られなくなるようです。

この違いは一体なんでしょうか?

野菜

答えは「食」にあります。

本来口というのは、捕食するために使用する部位であり、

その食べ物が消化管を通る過程でだんだん消化され、短い分子に分解されて行きます。

この分解が進んだ食べ物は、細菌が栄養にできるのですが、

分解されていない食べ物というのは、高度な消化器官を持たない細菌にとっては

ちょっと食べづらいものなのです。

口というのは本来そういった、「まだ消化されていない食べ物」が

通る場所だったので、細菌の生育に適した環境ではありませんでした。

しかし、火を使うようになり、土器を使うようになり、

農耕を行うようになり、人類は、ただそのものを食べるのでなく、

事前に料理をして美味しく食べるようになりました。

料理をするということは、火を通したり煮込んだり、

長くつらなった分子を分解する作業に他なりません。

その結果、口の中にも細菌が利用できる栄養がたくさん運ばれるようになり、

口の中に細菌が住んでいける環境が整ってしまったわけです。

お口のばいきんと「食」というのは切っても切れない関係です。

原始時代のような食事にしてしまえば虫歯も歯周病も減りますが、

美味しいものを食べたいですよね?

美味しく食べて、しかも歯を失わないように、

きちんと自分のリスクを自覚して、歯の予防をしていきましょう。


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