医院で購入していただく物はなるべく良い物をと思っています。
歯磨き粉についてはメインは3M社のクリンプロ。
フッ化物濃度が1450ppmの高濃度で配合され、カルシウムとリン酸が配合されているのが理由です。
ただし、エビデンスとして確立されているのは、「フッ化物濃度が1450ppmの歯磨き粉を使用する(※6歳以上)」というものであるため、1450ppmの歯磨き粉であれば市販のものでも良いと思っています。
ただフッ化物洗口に関しては、できれば医院で購入してほしいと思っています。
理由はフッ化物の濃度です。
日本国内における市販のフッ化物配合洗口液のフッ化物濃度は高いもので、225ppmとなっております。
お口の中のフッ化物濃度を高めることに効果はありますが、積極的なむし歯の予防という点ではやや物足りなく感じます。
歯科医院専売のフッ化物洗口だとより高いフッ化物濃度の製品がありますので、そちらをお勧めしたいのです。
当院でお勧めしているフッ化物洗口液は、ビーブランド・メディコーデンタル社のビーブランドという洗口液です。
フッ化物濃度が450ppmと高く、パッケージもおしゃれなのでいい感じです。
洗口後のお口の中のフッ化物濃度は、洗口液のフッ化物濃度に依存します。
歯みがき後の洗口とフッ化物濃度の関係について研究した論文があります。1)
225ppmのフッ化物洗口液では、1450ppmの歯磨き粉で歯磨きした後に使用しても、濃度にそれほど大きな違いはありませんが、900ppmのフッ化物洗口液を使用した場合、濃度が著しく上昇していることがわかります。
この研究では450ppmの洗口液との比較はありませんが、おそらく225ppmと900ppmの間に位置すると予想されます。
より大きな効果を望むのであれば、市販のものより歯科専売のものが有効であると考えるのです。
フッ化物洗口液はいつ使うのでしょうか。
フッ化物を使う最も効率的な方法はフッ化物が入った歯磨き粉を正しく使うということです。
洗口液は補助という位置付けです。
ただ、時間がなくて歯磨きをする時間がない、むし歯のリスクが高くてより高い濃度のフッ化物を残したい、歯磨きの後にたくさんゆすぎたいという場合には有効ですね。
むし歯予防にはフッ化物を正しく使うことが有効で、洗口液もその助けになります。
なお、当院では900 ppmのフッ化物配合洗口液も販売しておりますが、誤って飲んでしまうリスクを考え、むし歯のリスクが高い人にのみ販売をしています。
詳しいお話を聞きたい方は、ぜひ当院の歯科衛生士にお尋ねください。
1)Mystikos C, Yoshino T, Ramberg P, Birkhed D. Effect of post-brushing mouthrinse solutions on salivary fluoride retention. Swed Dent J. 2011;35(1):17-24. PMID: 21591596.
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